王道物語としての『緋色の研究』

diary

最近イギリス文化にハマっている。
お茶に、庭に、本に…。ご存知でしょうか、イギリス出身の物語はとても多い。
アーサー王伝説、ケルト神話、ピーター・ラビット、ハリー・ポッター、不思議の国のアリスなどなど。
そして、探偵というと誰もが(ほとんど)最初に思い浮かべるであろう『シャーロック・ホームズ』シリーズ。
小学生の頃に漫画版はひと通り読んだつもりなのだが、原作小説をちゃんと読んだことがなかった。イギリスをより楽しむために、きちんと読んでみようと思い立ったのだった。

読んだのは、コナン・ドイル作、駒月雅子訳『緋色の研究』。
「読んだ」と書いたが、実際にはAudibleで聴いた。

感想。
これぞまさに「物語」である。「王道ミステリー」という枠の中だけで語るには惜しい。非常に面白かった。
聴いている間中、わくわくしたり、ドキドキしたり、悲しくなったり嬉しくなったり、そんな風に感情をコントロールされる感覚があった。
こんなに入り込んで楽しめた物語は、小説だと本当に久しぶりだったように思う。

何がどう面白かったのかを書くのは私にとって難しいのだが、まず、魅力的な人物像を描くのがとても上手いと感じた。その上で、ホームズの人柄の「種類」が、なんというか自分に近く、親近感を持った。
ファンからはよく聞く話だが、今日世間で共有されているホームズ像やワトスン像とはやはり少し違う印象を受けた。そして、私は原作のホームズとワトスンがすぐに大好きになった。
あくまでざっくりとした且つ個人的なイメージだが、ベネディクト・カンバーバッチ版ホームズと、ジュード・ロウ版ワトスンがそれぞれ近い気がする。

全体の構成は一見変わっているが、俯瞰して見れば一般的なミステリーものと変わらない。
事件が起こり、現場を観察し、謎解きが行われ、犯人の供述や事件の背景が語られる。
今回は犯人の供述パートの視点が第三者のものであること、少々長いことなどが特徴であるにすぎない。

ただ、私は第1部を聞いてしばらく経ってから第2部を聞いたもので、事件にまつわる人々の名前を完全に忘れた状態になってしまっており、「何の話……?」の時間が長かった。
正確には、1部を聴いてすぐ2部の数文ほどを続けて聴いていたのだが、場面が突然全く変わってしまったので困惑し、しかも聴いてるのが辛くなるような内容だったので、1ヶ月ほど放置してしまっていたのだ。

また、これもちゃんと前半を覚えていたら起きなかった現象なのかもしれないが、被害者が息子だったのか親だったのか分かりにくかった。

それにしても、ジェファースン・ホープを主人公にした漫画やアニメを作ったら(映画でもいいけど)絶対面白いと思うんだけど、もうあるのだろうか。ないかな。アニメ映画がいいな。誰かよろしく。